2013/02/26

世界のブックデザイン2011-12






2012年11月17日から2013年2月24日まで飯田橋の印刷博物館にて開かれた、
毎年恒例「世界のブックデザイン2011-12」の最終日に、滑り込みで見に行ってきました。

ドイツ、オランダ、カナダ、日本、台湾、中国などなど。。。
趣向を凝らしたさまざまな本が、洋の東西を問わず集まった展覧会です。

今回、わりと教育的、社会的にチャレンジングな作品が選ばれているような気がしました。

中でも気になったのは


です。

上の写真ですね。
これは、、、少女趣味の手帳か? という装丁、じつは 聖 書 です。
少年少女、若い女性をターゲットにしているそうです。

発行元はデン・ボス(オランダの南部にある北ブラバント州の州都)にあるカトリック聖書協会(Katholieke Bijbelstichting 's- Hertogenbosch)という出版社で、デザインは同じくオランダはErmeloという街にあるStudio Vrolijkです。
美しい本の選考会議でも意見がまっぷたつに割れたようですが、最終的にオランダ国内で第三位の受賞となりました。(2011年)


オランダでは、デザインが社会的諸分野(政治、経済、教育)と密接に絡み、造形だけでなく、テーマやコンセプトがユニークな作品が多いのですが、聖書そのものをこうしたデザインに落とし込むというのはさすが。よくぞ、こういうコンセプトで作ろうと思ったなぁ、とまず驚き、よくぞ実際に出版したなぁ、というところで感心し、よくぞ受賞させたな。。。というところでオランダの心意気を見ました(笑)


オランダには「バイブル・ベルト」と呼ばれる非常に宗教色の強い一体が、それこそベルトのように南西から北東へ向かって存在するのですが、そういう人たちはこの聖書を見てどう思うのでしょうか。とにかく興味のつきない作品です。


もう一点は、同じくオランダの作品で、
mi e ru渡辺の出身大学でもあるAKV St.Joost(セント・ヨースト美術大学)がValéry Proust Museum/White Cube Fever という展覧会のために作った薄い冊子です。オランダのグラフィックデザイン界の巨匠ウィム・クロウェル(Wim Crouwel 1928-)のグリッドシステムに基づき、余白を活かしたレイアウトがさわやかな構成になっています。St.Joostのリサーチグループが美術関係者とのコラボで実現した冊子が見事受賞したようで、卒業生としては詳細が知りたいんだけれど、なんだかよくわからない(笑)

とにかく、ぎりぎりでも見に行くことができて大変刺激になりました。

この展覧会は毎年11月~翌年2月の期間に行われているので、見逃した!行ってみたい!という方は是非!実際に手に取っていろんな本を感じることができる機会はとても貴重です。


デザイン事務所 mi e ru

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